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2007年4月19日 (木)

2007年教科書検定に関わる要望書

文部科学大臣 殿

 

2007年教科書検定に関わる要望書

 

2007年3月30日に公開された、高等学校用日本史教科書の検定結果は、多くの沖縄県民に怒りと疑問を広げています。沖縄戦における集団死・「集団自決」に関わる検定意見の内容と修正結果がその原因です。30日のマスコミ公開以降、学校教育関係者のみならず多くの県民、とりわけ戦争体験者が怒りの声をあげ、連日テレビ・新聞等がこの話題をとりあげています。その中で、私たち「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」でも、この問題に対し抗議の意を表明し、修正指示を撤回するよう文部科学省へ求めています。これは、沖縄県知事も今回の修正意見については疑義を表明しているように、多くの県民の思いであり、あの汚辱の戦場を生き延びた体験者の思いと、同一です。

沖縄戦研究者の地道な研究・調査活動によって、集団死・「集団自決」が日本軍の強制・強要・命令・誘導等によって起こり、それは日本軍による住民虐殺と表裏一体であったこと、また慶良間諸島だけでなく沖縄本島・周辺離島でも発生していることを明らかにされてきました。そのことは第3次家永教科書裁判の最高裁判決(1997829日第三小廷)の中でも沖縄戦の実相として明確に判示されています。その後、沖縄戦当時の様々な史料・公文書の発見等により更に実証的研究が進み、そのことを裏付けています。そうした成果がこれまでの教科書記述には反映されていました。

しかし、マスコミ報道等によれば、貴省は今回の修正意見の理由として、「軍命の有無をめぐる論争が起きていること」、「沖縄戦集団自決冤罪訴訟の原告意見陳述(20058月)を参考資料としたこと」を挙げています。しかし、「冤罪訴訟」という呼称は原告支援者の呼び方であり、貴省がこれを使用したことは一方当事者の立場に立ったものとして極めて不公正であります。また現在係争中の裁判を根拠に変更することは、これまで貴省が示していた「裁判などで係争中の事象を確定的に扱うことを禁止する」という検定基準を大幅に逸脱し,また沖縄戦研究の成果を無視したものとして,極めて中立性・客観性に欠けたもとをいわざるを得ません。そこで私たちは、重ねて修正意見の白紙撤回を求めるとともに、次のことを要請します。

 

1. 4月26日より実施される高校教科書の検定資料の公開を沖縄県内でも実施するよう求めます。

今回も全国8カ所での開催であり、沖縄県で開催されたことはありません。これだけ今回の検定に関わって問題となっている現場で、その検定について説明することは、文部科学省の責務です。5月中、又は沖縄県議会最中に沖縄県で開催することを求めます。

 

2. 文部科学省に対し、今回の修正意見作成にあたってどのような資料をもとに、何が議論され、どうして今回の修正意見に至ったのか、具体的な審議経過等についての説明を求めます。

上記で指摘した通り、参考にした書籍は研究の一部としか言えず、それも民事裁判の陳述書など関係者しか手に入らない資料を、原告側の支援会の呼称である名前で利用するなど、検定資料の公開だけでは、不明瞭な点が多くあります。これに関し、どのように公平性・中立性が保たれ、歴史研究の論争や成果を踏まえたのかを明らかにしていただきたい。

 

2007年4月16日

沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会

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