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2013年7月16日 (火)

実教出版教科書選定に関わる大阪府教育委員会「見解」を撤回せよ〔見解〕

実教出版教科書選定に関わる大阪府教育委員会「見解」を撤回せよ〔見解〕

~教科書選定で各校に不当な圧力をかけるのは誤りです~

2013 年7月10 日 大阪府立高等学校教職員組合

大阪府教育委員会(以下「府教委」)が来年度教科書選定に関する不当な圧力を府立学校にかけています。府教委は、来年度の教科書の「選定にあたり注意していただきたいことが生起している」として、7月9日付で特定の教科書に対する「見解」を発表し、府立学校校長・准校長に送付しました。この「見解」で府教委は、実教

出版社の「日本史A(日A302)」「日本史B(日B304)」の一部分の記述を取り上げ、「府教育委員会はこの記述は一面的なものであると考えます。」と断じています。

問題の記述は「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに、思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保護するかが議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という部分ですが、これは東京都教育委員会が6月27 日に、この「一部の自治体で

強制」記述に対して「都教委の考え方と異なる」「都立高校などで使用することは望ましくない」としたことに続くものです。府教委は、この記述を「一面的なもの」と考える理由として「学習指導要領の趣旨や、平成24年1月16日の最高裁判決で、国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令が合憲であると認められたことに、全く言及がないこと」をあげています。

2012(平成24 年1月)の最高裁判決は「出された職務命令」そのものの合憲性を判じただけで、このような教育内容、内心の自由に関わることを職務命令によって行うことを推奨したものではありません。また「職務命令違反」とされた教職員に対する都教委の処分も「減給」以上は「裁量権の濫用」であると断ずるなど、むしろこの件の直接の当事者である東京都や、当時「教育基本条例」案へ批判が集中していた大阪府など「一部の自治体」

の行き過ぎをたしなめる性格を色濃くもっているものです。

また当然ながら文部科学省は検定に合格したこの教科書について「検定上誤りとは考えられず、許容されるも

の」という見解を示しています。府教委も「一部の記述のみをもって、この教科書を採択しないとの結論まで至っておりません。」としており、「各学校においては、これらのことを踏まえ、校長の権限と責任のもと、選定理由を十分明確にし、適正に教科用図書の選定を行うよう、お願い」するとしています。

教科書検定のあり方についても、多くの経緯や議論があることは周知の事実です。しかし、そうした「検定を合格した教科書」にまで、各教委・自治体がそのときどきの判断で圧力をかけ、各学校現場で「子どもたちに最善・最良の選択」と判断して選択したものを恣意的に排除するようなことがまかりとおれば、それは結局「この教科書以外は使うな」ということにつながります。これは憲法で保障された学問の自由に対する露骨な攻撃であり、教育行政が最も慎まなければならない教育内容そのものに対する不当な支配・介入です。そのような偏狭で硬直した一面的な「学び」のあり方こそ、教育の現場が断固として排除しなければならないものです。

私たちは、府教委が明らかにしたこの「見解」の即時撤回を求めます。あわせて各校が教科書選定にあたっても自由闊達な議論にもとづく自主的な判断により「子どもたちにとって最良の選択」ができるよう、不当な圧力から学校を守る努力こそを府教委に強く求めるものです。

以上__

 

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