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2013年12月

2013年12月20日 (金)

(再掲)八重山地区教科書採択問題における文部科学省の不当な介入に対する抗議声明

2013年10月21日

 

文部科学大臣 下村博文 殿

                  沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会

                               (略称 平和教育をすすめる会)

 

    八重山地区教科書採択問題における文部科学省の不当な介入に対する抗議声明

 

 本年10月18日、下村博文・文部科学大臣は地方自治法245条に基づく「是正要求」を沖縄県教育委員会に向けて発出し、竹富町教育委員会が中学3年生の公民教科書の採択を石垣市および与那国町と同一のものとしていないのは違法であるとの解釈を前提に、竹富町教委に採択の変更を迫るように、県教委に要求する行為に踏み切った。さらに、下村大臣は「是正要求」発出時の記者会見やその後の講演等を通じて、いかにも竹富町教委が違法行為を重ね、文科省等によるこれまでの指導などにまったく応じなかったかのような、明らかに事実に反する説明を繰り返している。われわれは、八重山地区教科書問題について関心を持ち続け、事態の1日も早い正常化を強く望んできた立場から、こうした状況について看過してはならないと考える。

今回の「是正要求」に至る不正常な状態の出現と継続の主たる原因が、教科書採択権は個々の教育委員会にあるとされている地方教育行政法と複数の教委による共同採択地区では同一教科書の採択が無償措置適用の必要条件であるとする教科書無償措置法との間に齟齬が生じている点にあることは、遅くとも2011年8月の時点で広く知られているところであった。しかも、当該3市町教育委員の全員協議会が開催された2011年9月8日の当日まで、これら2つの法律の規定のどちらが優先するのか、との石垣市教育委員会などからの問い合わせに対して、文科省教科書課は「どちらかが優先するという関係にはない」と回答していたことが、確認されている。これは、上記の齟齬の存在を暗黙のうちに文科省が認め、さらにこれら2つの法律の間には一般法と特別法という関係が存在しないと、認識していたことを意味している。同時に、この時までは共同採択地区内の教育委員会間で採択希望の差異が生じても、協議の繰り返しによって採択の一本化が実現して事なきを得たこれまでの複数の事例を念頭に、文科省教科書課との緊密な連絡を維持した沖縄県教育委員会が再協議に向けた助言と指導を進め、その趣旨の下に全員協議会が開催されたのであった。

しかし、9月8日の全教育委員による協議の最中に届いた義家弘介・自民党参議院議員(当時)からのFAX文書を石垣市教育長が突如掲げ、石垣市教育委員会としてはそれまでの採択を一切変更しないとの強硬方針を表明し、再協議による全教委一致の一本化を事実上不可能にした。やむをえず、全教育委員による協議会は長時間の協議の上、最終的には全出席者による多数決で、八重山地区は東京書籍版を採択するとの議決をした。これは、助言・指導に当たった県教委も一本化の結論として認めたものであった。にもかかわらず、この議決に対して、石垣市と与那国町の教育長が承服できない旨の文書を独断で県教委と文部省に提出し、石垣市教育長は自由民主党の教科書議連等の9月13日の会合に招かれ、強硬姿勢を維持するように激励されたことも、事実として判明している。

こうした自由民主党などによる政治的な介入の下で、中川正春・文科大臣は9月8日の議決を正当なものとは認めないとの見解を、採択結果報告期限の数日前に表明し、事態の混乱に拍車を掛けた。さらに中川大臣は、10月26日の国会答弁において、石垣市と与那国町には無償措置法を適用し、竹富町には同法を適用しないとの方針を明らかにした。そこでの判断の根拠とされたのは、採択協議会の答申通りの採択をしているかどうかであった。しかし、協議会の答申に拘束力がないことは文科省が従前から認めていた。その自らの見解に反する解釈と運用を文科省は強行したことになる。

さらにこの結果、竹富町では篤志家が購入した東京書籍版公民教科書の現物寄付を教委が受け、それらを生徒に渡すことで、2012、2013年度の授業を実施するという異常事態が生じている。これは、義務教育課程の教科書は無償とする教科書無償法に違反しているものである。

このような事態になったのは、無償措置法が定める共同採択地区内での採択一本化が3市町間では実現できていないにもかかわらず、文科大臣が石垣市と与那国町の分だけを無償の対象とするという法規の恣意的・便宜的な解釈と運用を強行したことに起因している。こうした法規の恣意的・便宜的な解釈と運用による行政権限の行使は職権濫用であり違法であるとする司法判断が、最高裁判所の判決(1997年8月29日、第3次家永教科書裁判)で確定している。今回の「是正要求」で文科大臣は、竹富町が無償措置法の採択一本化の規定に違反しているとしているが、その規定の解釈と運用を歪めている文科大臣の行為こそ、違法である。

さらに文科省は、この違法な法規解釈を糊塗するために、国会議員からの質問趣意書への回答文にことよせて、地方教育行政法は一般法に該当し、教科書無償措置法が特別法として前者に優越する関係にあるとの新たな見解を10月7日に明らかにした。変更後の見解によって、竹富町は地教行法よりも無償措置法に従うべきだとする文科省の主張の根拠がより強固になったかのようにも見える。しかし、これは異常事態の進行中に法規の解釈を突然変更したもので、この変更自体が前出の最高裁判例に抵触する違法行為である。いわば、スポーツの試合中に形勢が不利になったためルールを一方的に変更したようなもので、後出しジャンケン同然の卑劣で反社会的な行為である。

 しかも無償措置法が特別法として優越するという見解は、文科省によるその場凌ぎのものでしかない。そのことを、今回の10月18日の「是正要求」発出直後の記者会見と19日の講演において下村大臣が法改正に言及したことで、明白となっている。同大臣は、繰り返して今回の件で広く知られることとなった2つの法律の規定間の矛盾を解消するために、無償措置法の規定が優越することを明記するための法改正を目指す旨を明らかにした、と報道されている。「是正要求」の発出という異例の措置に世間の関心が集中している間に文科省の最大の弱点を取り繕うとする行為であり、この不公正さを、われわれは見逃すわけにはいかない。

 加えて、今回の「是正要求」が地方自治法245条に基づいて発出された点でも、文科省は新たな違法行為を重ねたことになる。地方自治法の規定は総務省が管轄する地方自治体の行政行為を対象とするものであり、文科省の教育行政に於ける「是正要求」については、地方教育行政法49条に別途の規定がある。「是正要求」に関しては、地方自治法245条が一般法であり、地教行法49条が特別法であるという関係にある。従って、文科省が「是正要求」を発出するには後者の規定に即したものでなければならない。しかし、文科省はその法秩序を無視して、一般法の地方自治法のみを根拠として、行政権限を行使した。竹富町の実情が地教行法の規定にある発出条件に合致していないと、2012年8月28日の参議院文科委員会で、当時の平野文科大臣が明らかにしていたために、便法を用いることにしたものだ。これは明らかな法規の恣意的・便宜的な解釈と運用であり、先の最高裁判決に言う違法行為そのものである。

先の記者会見で下村大臣は、「法治国家ですからルールはきちっと守っていただきたい」と繰り返し強調している。文部科学省と自由民主党こそ、法規の不備を長年放置してきただけでなく、一昨年来の八重山教科書問題においてさえ数々の違法行為を重ねている事実が今明らかとなっている。この期に及んでもなお自らの違法性を隠し、文科省も合法性を認めた行為を実行しているにすぎない竹富町が違法自治体であるかのようなイメージを全国に広めようとする下村大臣の言動は、到底容認できない。

これまでにも、沖縄県民は日本政府から差別的、屈辱的な措置、権力行使を数多くされてきた。今回の「是正要求」もそれらと同様に、沖縄県民の誇りを傷つけ、屈辱感を新たにさせるものであり、容認することは断じてできない。

我々は、沖縄県民の誇りをないがしろにし、沖縄の民主的な教育の実践と継承を脅かすものとして、10月18日の「是正要求」発出に対し強く抗議し、「是正要求」を即時撤回することをここに求める。

                                     以上

 

12月20日沖縄タイムス報道

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59166

 

八重山教科書:年明けにも直接是正要求

20131220 06:20

 

八重山地区内の教科書問題で文部科学省は19日、竹富町教育委員会が無償措置法に基づいた教科書を使っていないとして、年明けにも地方自治法に基づき、町教委ではなく、直接町に是正要求する可能性を示した。

 同法では、国が都道府県を通さない場合は、市町村教委への是正要求ができないため、要求の対象は町となる。これまで国が直接、市町村へ是正要求をした例はない。

 文科省は10月、県教委に対し、町教委へ是正を求めるよう指示を出したが、19日現在、県教委からの是正指示は出されていない。同省は次年度の教科書使用に影響が出ないよう、年度内で解決したい意向で、直接同町に是正要求をすることも視野に入れている。

 県教委は18日の定例会で、文科省に是正要求の「真意を確認したい」と、来年1月15日に質問内容を固めて送付することを決めた。質問内容は、11月28日に政務官と面談した諸見里明県教育長の報告を踏襲した内容になる見通し。

 文科省は、質問状の内容が面談時と同様なら、町への是正要求や違法確認訴訟の提起といった「強硬手段」も辞さない構えだ。同省の担当者は「県の質問状を見てから最終的に判断したい」としながらも、「1カ月は悠長。待てない。これから早急に対応するよう、県教委に通知などで促す」と述べた。

 

「県教委 早急に」是正要求で菅氏

 【東京】菅義偉官房長官は19日の記者会見で、八重山地区内の教科書問題への対応について「沖縄県の教育委員会は、地方自治法の規定に基づき、竹富町への是正要求をする法律上の義務を負っている。早急に実施することが必要だと思う」と述べ、県教委が早めに是正要求すべきだとの認識を示した。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59173

八重山教科書:国の姿勢「高圧的」疑問の声

20131220 07:20

 

八重山教科書問題で、県教育委員会の対応を待てない文部科学省は19日、直接竹富町に是正要求する意向を示した。同町の中学公民教科書を力ずくで変えようとする国の姿勢に、関係機関などから「高圧的だ」「県教委の質問に答えてほしい」との声が上がった。

 県教委は18日の定例会で、文科省へ質問状を送り真意を確認しようと決めたばかり。新垣和歌子委員長は「論議を重ねるうち、是正要求に疑問が湧き起こった。質問に答える前に直接竹富町に要求する、国の権力と圧力を感じる」と述べ「押しつけに応じられない。同じテーブルで話し合う場を持ちたい」と要望した。

 竹富町の慶田盛安三教育長は対応について「県教委と連携して問題解決に当たる姿勢は変わらない」と述べ、県教委が勧める八重山地区1市2町の教育長の話し合いによる解決を続けたい意向を示した。「動きがあるとすれば文科省が(県教委に)返答した後。県教委の検討を注視したい」とも述べた。

 教科書問題に詳しい井口博弁護士は「地方自治法には『明らかに公益を害している』場合に是正要求ができるとある。竹富町の子どもたちには教科書が配られている。公益を害しておらず、要求の要件を満たしていない。地方自治を侵害する可能性が極めて高い」と批判した。

 高嶋伸欣琉大名誉教授(社会科教育)は「これまで同様、自民党タカ派が圧力をかけた形だ」と話し「竹富町教委は抵抗する意思をはっきり示してほしい」と求めた。

2013年12月19日 (木)

12月19日琉球新報記事

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-216876-storytopic-238.html

 

竹富教科書是正要求、県教委が質問書送付へ

20131219

 

県教育委員会(新垣和歌子委員長)は18日、県教育庁で12月定例会を開き、八重山教科書問題で文部科学省から竹富町教委への是正要求の指示を受けていることについて、是正要求に対する疑問点をまとめた質問書を文科省に送付することを決めた。質問書の内容は1月定例会で決定する。

 文科省の教科書検定基準に合格した2教科書の一方を否定する正当性、教育現場に大きな問題が生じていない竹富町に是正を求める必要性などについて、定例会では委員から疑問の声が相次いだ。新垣委員長は「疑問点に対する文科省の考えを直接聞けていない。委員が納得した段階で結論を出したい」と話した。

 諸見里明県教育長は、11月に上野通子文科大臣政務官と面談した内容を委員に報告した。諸見里県教育長に上野政務官が明確な回答をせず、教科書無償措置法に沿って対応するよう再度求めたことに、石嶺伝一郎委員は「議論がかみ合ってない」と指摘し、宮城奈々委員は「教育的配慮が全く見られないのが残念だ」と話した。

 富川盛武委員は「法律論や行政手続きを超え、本質論で議論すべき問題だ」と強調し、泉川良範委員は「是正要求が引き起こす事態について判断する材料がまだ足りていない」と述べた。

12月19日沖縄タイムス記事

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59103

八重山教科書:県教委、文科省に質問状

20131219 06:01

 

県教育委員会(新垣和歌子委員長)は18日に第16回定例会を開き、八重山地区内で異なる中学公民の教科書を使っている問題で、文部科学省から指示されている竹富町教委への是正要求について「県教委と文科省の意見がかみ合っておらず、真意を確認する必要がある」として、文科省に質問状を提出し、回答を求めることを決めた。

 

 質問内容は来月15日の定例会で決定後、送付する。

 

 県教委は先月の定例会で確認した「無償措置法が目的とする義務教育の充実で(竹富町に)大きな問題は生じていない」「是正要求の発動は安定している教育環境を混乱させる」とした中間報告を踏襲する。

 

 同日の定例会で委員から「一方的に是正要求を押し付けられるのはどうか」「検定に合格した教科書が使われている中で是正要求が出された場合、どんな事態が起こるのか」など、慎重な対応を求める意見で一致。あらためて文科省と議論を深めることを決めた。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59098

八重山教科書:「教育論欠落」県教委が疑義

20131219 07:19

 

八重山教科書問題をめぐり、国の一方的な「是正要求」から2カ月。18日の県教育委員会定例会では全委員から「国に教育論が欠落している」「竹富の学習環境は安定している」などの疑義が続出した。県教委は質問状を出すことで国の矛盾を追及し、教育の本質を問う構えだ。

 「議論はかみ合っていないのではないか」。石嶺伝一郎委員は定例会で、11月に政務官が諸見里明県教育長を指導した内容について指摘。竹富町の子どもたちの教育環境が安定しているとする県教委に対し、文科省は法的手続きの不備を主張するスタンスを崩さず「なぜ是正要求するのか。文科省がどう考えているのか質問したい」と述べた。

 富川盛武委員は「法律論、手続き論だけで教育論が欠落している」と指摘。「議論を重ねて初めて法治国家うんぬんの話ができる。譲れないのは譲れないとの議論があるべきだ」と強調した。

 宮城奈々委員は、文科省から「教育の面からのコメントがないのは残念。地方の主体性をどう考えているのか聞きたい」と要望した。

 「議論を待ってほしい」。泉川良範委員はそう訴えた。竹富町教委に是正の指示をした場合、「どのような事態が発生するのか、資料が足りない。時間がほしい」と求めた。

 

「解決へ連携」竹富教育長

 【竹富】質問状を提出する県教委の方針について、竹富町教育委員会の慶田盛安三教育長は18日、「これまでも県教委と連携して問題解決に当たってきた。文科省の回答や県教委の対応を見極めたい」と述べた。

 県教委が「現場に混乱はない」と指摘したことに慶田盛教育長は「使っていた教科書を替えた方が教師も子どもも混乱する。静かな環境で教育を受けさせてほしい」と訴えた。

 政府が教科書採択についての二つの法律の改正を目指していることには「採択権限に矛盾があることを認めている。それを解消すれば、竹富は違法になるかもしれないが、現時点では法律専門家でも意見が割れている」と是正要求の根拠にも疑問を呈した。

2013年12月 1日 (日)

竹富町教委への是正要求撤回の署名活動がはじまりました

竹富町教委への是正要求を撤回する署名がもう一つはじまりました


ぜひ多くの方に署名をしていただきたいと思います。

http://www.change.org/ja

のキャンペーンから
下村博文 文部科学大臣 殿: 竹富町教育委員会の中学公民教科書採択方針に対して発した是正要求を撤回することを求めます。
を選んでご署名をお願いします。

または以下のURLを使用してください。

http://chn.ge/1ioA6lb

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